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からまわり

車はゆっくりと夜の街を走っていた

突然、私はある事実に気がつき、急に怖くなった

プラーグ:
  『私、トシさんに自分の住んでる住所って教えてませんでしたよね?

  どうして知ってたんですか??』

トシ:
  『ああ、この前陸上部の忘年会があって呼ばれたんや。

  その時、椎崎に自分(プラーグ)の住所を聞いた。

  椎崎かなり酔ってたから、すぐ教えてくれたわ(笑)』

椎崎?? ・・・って、ゆいちゃんのことやん(o ̄∇ ̄)o

いくら酔ってたからって、なんでそんな簡単に教えるのよ(ToT)

トシ:
  『ほら、運動部特有の縦社会があるから

  後輩は先輩に逆らえへんって思って俺に教えてくれた(笑)』

プラーグ:
  『聞く必要性がないと思うんですけど(--;』

トシ:
  『だから、先日いじめたお侘びをしたかったからやって(笑)』

プラーグ:
  『お詫びって思ってるなら、そっとしておいて下さい!!』

トシ:
  『いや、ほんまはもっといじめ甲斐があるなって思ったんや。それで椎崎に聞いた(爆)』






この人何物??

考えてみたら、私は車に乗る時に身一つで乗ってしまったので

財布も何も持ってきていなかった

もちろんノーメーク

すると、このままちゃんと帰してもらえるか心配になってきた

その気配に気がついたのか

トシ:
  『大丈夫や、何もせーへん。それとも狼に襲われるお姫様願望でもあるんか(笑)?』

どうもトシさんは元々このテンションが定着しているらしい

そして・・・

トシ:
  『“実家”ってさっき言った後に、何考えてたん?

  もしかして、遠距離恋愛の彼氏がいるとか?』

興味深気に聞いてきた







リクさんと私

私達の関係って一体なんだろう・・・

そんな事にこだわった事って一度も無かった

でもただ単に彼氏・彼女とか簡単に言い切れる分類にしたくはなかった

リク:
  『お前の事を見ていると

  過去の俺自身を見てるようでならない。

  まるで鏡を見てるみたいだ。。。』

そう言ってたリクさんの言葉を思い出した

お互いがお互いを映し出す鏡・・・

私達はそうだった

トシ:
  『図星、、、やな。。。』

プラーグ:
  『凄く好きな人がいるけれど、私の片思いだったの、多分。。。』

そうだよね、きっと、そうだよね

リクさんは私のことなんてもう忘れちゃってるよね

だから連絡が取れないんだよ、きっと・・・

だから手紙も来ないんだ・・・

この瞬間、その現実に凄く悲しくなった

そして無事に車はマンションに到着し

トシ:
  『ほな、またな。』

そう言ってトシさんは私の頭をぽんぽん叩き、帰っていった

気のせいか、トシさんはちょっと寂しげに見えた

考えてみたら、リクさん以外の男の人の車に乗ったのは初めてだった

でも、トシさんは一体何しに来たんだろう・・・

変な怖さから開放された安堵感とトシさん独特のペースにどっと疲れ

私は部屋に着くなり、ベッドに倒れこんでしまった







翌日、私は家庭教師の日だった

冬休みだったこともあり、この日は朝から連続3人指導が入っていた

偶然にも、この年請け負ったのは中3、高3の受験生だった

2月、3月に受験を控えた生徒達やご家族の意思もあり

1人につき、週2~3回の指導が入ってた

指導を終えて帰り、郵便受けを開けると

そこには可愛らしい小さな紙袋が入っていた

何だろう?

そう思ってそれを部屋に持ち帰った

気になって中を開けると、そこにはブルームーンストーンのピアスが入っていた

当時チェッカーズの歌で“ブルームーンストーン”という曲が流行った

その歌詞の影響を受け、自分用にお守りとしてピアスを買った

高価なものではなかったけど

お店以外ではアクセサリーは付けないプラーグは

毎日それを付けていた

しかし私はある冬の野外体育の授業でそれを落としてしまったのである

凄く気に入って買ったので

無くしたのを分かった時

半泣き状態でグラウンドに探しに行った

その場に居合わせた運動部の人に『どうしたの??』って聞かれ

ピアスを無くした事を話し、そのまま1時間ほど探させて頂き、見付からず諦めた

突然の事で、このピアスをどうすればいいのか分からず

そのまましまいこみ、机の中に入れた

これ、誰かが私にくれたんだろうか?

それとも誰かが間違っていれたんじゃないんだろうか?

身元不明のブルームーンストーン

念のため、私は他の部屋の人達に心当たりがないか聞いて周った

誰も心辺りのある人はいなかった

お客さんかなあ・・・

でも、プラーグは誰にも自分の住所なんて言ってなかったし

当時電話番号をお客さんに聞かれても

嘘を付いて、マンションの電話は呼び出しなので

お店に掛けて下さいってお客さんには断っていた

どうしていいか、分からず、結局そのブルームーンストーンは

暫く机の中で眠ることとなった








1年生最後の期末試験も無事終わり

プラーグは長い春休みに入った

相変わらず私はバイトに明け暮れていた

実は当時住んでいたマンションは23時に門限があり

それを過ぎると自動ロックが掛かり、外部者は簡単に入れなくなる

勿論入居者は鍵を持っているのでそれで入れるため問題はないのだけど

夜遅くにバイトを終えて帰宅してくる私を

何かにつけて管理人さんがクレームを付けてきた

しかもTVカメラでしっかり玄関先を録画しては

それをお昼間に見ている姿が目撃されている

気味が悪い管理人さん・・・

悲しい事に、宅配便や速達等が届き、本人不在の場合は

その事務所に届く

とにかくバイトがしずらいこともあって

春休みに引越しを考えていた

それで授業料とは別に

余分に引越し費用の40万円を貯めるためにあくせく働いていた

大学進学が決まった時

既に何処の不動産屋さんでも空室は殆ど無く

ここのマンションは唯一残っていたうちの1つだった

どうして残っていたかと言うと

男子禁制の女子学生専用マンションだったからだ

学生マンションだから卒業したら出ないといけないんだし

だったら今のうちに出てしまおう

そういう考えもあった

新聞奨学生も考えていたけど

何とか現状維持で学生生活をしていく目途も立っていた頃だった







そうこうしているうちに引越し費用も前期授業料も用意できた

生徒達の受験も無事終了し、皆晴れて志望校に合格した

その報告が嬉しくて、そして、せっかく仲良くなったのに

もう指導が終わるのだと思うと寂しかった

その後よく生徒達は遊びに来てくれたり

またこちらから遊びに行ったりお泊りにご招待されたものだった

責任を果たした安堵感に覆われた頃

私の部屋で友達とカレーパーティーをすることになった

春休みということもあって

みんな帰省していたりバイトに励んでいた

そんな中、みんなで予定を合わせたのだった

エリが合鍵を持っていたこともあって

私がバイトで部屋にはいなくても

クラスメートがよくお泊りに来ていた

部屋へ帰ると誰かが待っている

それが嬉しい時期でもあった

カレーの材料を持ち寄り、狭いキッチンで材料を切る

役割分担で、その日の私はワインのコルク抜き担当

それで、ワインを持ってあける準備をしたのだけど

先日から痛みと腫れを感じていた右首がとても痛い

  『きゃあ、いい匂い( ̄ー ̄) 今日のも美味しそう!!』

友達がそう言うのだけれど、カレーの匂いを全く感じなかった

変なの(--;

そう思ってキッチンの方へ向かった時だった

私は急にぐらぐらとしたふらつきを覚え、そのまま倒れこんでしまった

  『プラーグちゃん大丈夫??』

うっすらと聞こえた友達の声

しかし、私は目も開けられず、そのまま意識を失ってしまった





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≪続く≫


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